測量士の資格は独学で取得可能?どこで合否が決まる?
✔本記事の内容
- 測量士試験とは
- 測量士試験は午前中で決まる理由
- 測量士試験を独学で合格するために必要なこと、対策方法
せせおは、令和5年度の測量士試験に合格しました。
3度目の挑戦で合格ができ、1回目は860点、2回目は890点と合格ラインにわずかに届かず、悔しい思いをしました。
3度目の挑戦で合格した経験から、今後独学で測量士試験に挑戦する人に少しでも参考になるようにまとめました。
※測量経験がある方向けです。全くの初心であれば、通信講座や予備校がおすすめです!👇👇👇
測量士試験とは
試験の実施状況
令和5年測量士・測量士補試験の実施状況は以下です。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
測量士 | 3,667名 | 379名 | 10.3% |
測量士補 | 13,480名 | 4,342名 | 32.2% |
試験概要
午前試験:700点(選択式・マークシート)
午後試験:700点(記述・必須1題、4題中2題選択)
合計:1400点
合格:910点(午前中試験で400点以上取得できない場合は、午後試験の採点は行われない。)
試験科目
(1)測量に関する法規及びこれに関連する国際条約
引用元:https://www.gsi.go.jp/sokuryosidou/examsubjects.html
(2)多角測量
(3)汎地球測位システム測量
(4)水準測量
(5)地形測量
(6)写真測量
(7)地図編集
(8)応用測量
(9)地理情報システム
測量士試験が午前中で決まる理由
午前中試験は400点以上取得することが必須ですが、400点ぎりぎりでは合格率は下がると思います。
以下は、午前中試験で正解した問題数に応じた、午後試験の取得点数を現した表です。
午前 | 午後 | |
28問 | 700点 | 210点 |
27問 | 675点 | 235点 |
26問 | 650点 | 260点 |
25問 | 625点 | 285点 |
24問 | 600点 | 310点 |
23問 | 575点 | 335点 |
22問 | 550点 | 360点 |
見て分かる通り、満点を取れば、午後で210点取得すれば合格ができます!
午前中試験は1問25点と配点が決められているので、午前中で稼ぐだけ、稼げるほど合格率は高まります!
せせおは1回目475点、2回目550点、3回目600点でした。
令和5年試験では、600点とったことで、午後は310点だけなので、合格したのだと思います。
測量士試験を独学で合格するために必要な戦略、対策方法
戦略
測量士試験に合格するためには、以下の目標点を目指すとよいと思います。
午前:24問正解 合計550点
午後:必須200点、選択①100点、選択②100点 合計400点
午前(550点)+午後(400点)=950点
午後の必須問題に関して、配点は300点ですが、測量士として必須な知識等が問われるため、
過去問の中から出題される傾向があります。過去問対策で150点以上取ることは難しくないはずです。
午後は時間との勝負なので、選択問題で難しいと感じたら飛ばし、
確実に取れるところを埋めていけば100点近くとることは可能です。
使用したテキスト
・科目別模範解答集(測量協会刊行)(参考URL)
・作業規定の準則(参考URL)
勉強方法・勉強時間(時系列準)
勉強方法については、最新の過去問を試験本番と同じ時間で解き、科目別模範解答集で答合わせ。
不明なところに付箋をはり、付箋を貼った問題を中心に時間を空けて復習する。
最終的に最新の過去問については満点をとれる状態にするまでやりこみました。
1~3月:理解→過去問1周
この時期は仕事の繁忙期でなかなかまとまった時間が取れなかったので、
平日は昼休みの30分、土曜か日曜の休日どちらかに5時間以上勉強をしてました。
土日どちらかで過去問を時間内で解き、平日は模範解答集と作業規定の準則を確認しながら、
問題1つ1つをつぶしていきました。
また、手で書くというよりはひたすら声に出して読むことを繰り返しました。
書くのは時間がかかり、勉強のハードルも高いので、まずは目で見てひたすら勉強を続けることを意識しました。
1、2回目は間違ったところをノートにまとめたりしていましたが、時間がかかるし、
作成したものを見返さなければ意味がないので、ノート作成はやめ、今回は付箋をひたすら貼りました。
・絶対間違わない自信がある→付箋なし
・できたりできなかったり→黄色付箋
・理解ができない、時間がかかる→赤色付箋
最初の方は黄色と赤色の付箋が多くなるはずです。
この方法のメリットは覚えなければいけないところが一目で可視化されることです。
また、完全にできるようになれば付箋が消えていくので、進捗が分かりやすく、
モチベーションにもつながりました。
4月:演習+本番の想定→過去問2~3周
4月に入り繁忙期が終わると、平日は朝30分、昼休み30分、寝る前1時間の合わせて2時間、
休日は朝7から午後12時(5時間)ぐらいまで勉強していました。
土日で過去問2年分を解き、平日に確認、暗記事項を覚えるといったサイクルで過去問の2、3周目を行いました。
また、赤色付箋を最低黄色に変更できるように勉強しました。
この時期になると、①ひたすら書くこと、②時間内席に座り続けることを意識しました。
理由としては、日常の仕事では、字を書く、席に座り続けることに慣れていないからです。
仕事であれば30分~1時間ぐらいで小休憩をはさみますし、
字を書くよりPCで仕事をすることや現場に出ていることがほとんどです。
試験中は2時間半席に座って、ひたすら書くことが求められるので、
4月の勉強からは試験本番の環境を想像しながら勉強をしました。
GW:苦手対策、本番演習
GWは1日10時間ほど勉強しました。
GWは自由に時間が使えたので、本番の試験時間で実際に問題を解くようにしました。
10時から試験開始なので、10時までに自習室に行き、10時になったら午前中試験の問題演習に取り組む。
休憩を1時間とり、13時半から午後試験の演習を行うようにしていました。
答合わせ等をしたら、苦手としていた問題に取り組みGW中に付箋がすべて外せることを意識しました。
朝の過ごし方等も試験本番を想定した時間に寝て起き、食事等も眠くならない最適量を試行しました。
理想はGWは同じモチベ、同じ体調で過ごすことです。
また、近年過去問には出てこない形式での出題や、令和5年は作業規定が更新された年でもあったので、
最新の作業規定や国土地理院のHPに掲載されているトピックス等を確認するようにしていました。
令和5年の午前中試験では、今まで式を使って解く問題が、式を選択肢から選ばせる問題が出題されたので、
余裕がでてきたら過去問の中に出てくる式は意識的に覚えるようにしておいてほうが良いです。
試験直前:体調を崩さない。
ここまで頑張ってきて、試験本番体調不良では元も子もありません。
仕事も落ち着いてきたので、定時で帰り、運動・食事・睡眠を十分行い、体調管理に十分気を付けました。
朝、昼休み、寝る前に作業規定の準則や測量法の暗記をしたり、計算問題の演習を行いました。
試験当日:今まで通り過ごす。
試験本番に持っていくものは、必要最低限でいいと思います。
時間ギリギリまで参考書等を見直すのもありですが、以下の物しか持っていきませんでした。
- 筆記用具
- 受験票
- 飲みもの
- 昼食
- イヤホン
- スマホ
試験前、休憩時間は音楽を聴いて、周りの音を遮断していました。
試験あるあるだと思いますが、すぐ答合わせをしてできたできなかったを言い合う人がいると不安が生まれるので
ノリノリの曲やはまっている曲をガンガン聞いてモチベを上げてください。
勉強時間をいかに捻出するかが勝負
測量業界や建設コンサル業界は繁忙期が1~3月のため、
5月試験の測量士試験に対しては、試験対策時間が限られてしまします。
そこで、日々時間を捻出するように習慣を変えることが重要です。
普段から物を減らし、掃除の手間を省くや便利家電を買い、家事に割く時間を減らす。
料理は固定の献立にし、作る手間を減らす。残業をしないように効率よく仕事をする。無駄を省くなど。
また、家族の協力も必要不可欠です。
どういったスケジュールでどういう環境で勉強する必要があるのか。
そのために協力してほしいことなどを伝えて、理解していただくことも必要だと思います。
試験勉強スタート時に初めてすぐできるものでもないので、
普段の生活から習慣化したり、コミュニケーションをとることが必要です。
モチベーションの維持方法
最後にモチベーションを維持する方法を2つ紹介します。
①勉強に集中できる環境を見つける、作る
例えば、飛行機に乗った際に集中して読書が捗ったことはないでしょうか。
これは、飛行機内では本を読むか寝るかしか選択肢がないからです。
「勉強する以外やることないな」という環境を作るか見つけることがモチベーションを維持するために必要です。
私は、仕事終わりに空いている会議室を利用したり、
有料の自習室、図書館の自習室、近くのカフェを勉強場所としていました。
自宅では色々な誘惑があり集中して取り組むことができないので、上記のような場所を選んでいました。
②不合格になった未来を想像する。
人は必要に迫られないとなかなか動くことができません。
そこで、「不合格の場合、○○になる。だから勉強をしないとまずい。」ということを紙に書き、
勉強を始めるとき、やる気が出ないときに復唱していました。
- 不合格なら来年のGWもがり勉ウィークになるから受からないとまずい。
- 資格が取れないと主任として業務に従事できない。給料も上がらないからまずい など
まとめ:測量士合格は午前中試験が勝敗を分ける。
測量士試験は、午前中で稼げれば稼げるほど合格率は高くなります。
上記を参考にいただき、年1回の試験、挑戦いただければ幸いです。
今年不合格だった方も、なにが足らなかったのか分析し、
測量業界、建設コンサル業界の方は繁忙期で試験直前なかなか時間がとれないので
余裕を見て勉強を開始するなど個人の手法を見つけてくださいね♪
また、測量の知識等皆無で受験をする方は、時間に余裕をもって勉強を始める方が良いと思いますし、
独学よりは通信や予備校のほうが合格率は高いかもしれません。
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